初恋は実らない。
初恋は実らない。
そんなジンクスが囁かれておりますが、実際のところはどうなんでしょうね?
最近、友人から 枯れてる枯れてる干からびてる と言われ、 恋したいな と思うようになったありさです。
最後に恋したのはいつかな? と思い返して、ハタと気が付きました。
そもそも私、好きになったの1人だけ……?
いやいやそんなことは……もしかしたら他にもいたのかもしれないけど……やべえ1人しか思い出せない……。
初恋の相手。やまとくん。
まだ無垢だった幼稚園時代。
初めて会った時からずっとずっと彼一筋で。当時の私は、毎日毎日しつこいくらいアピールし続けた。
幼稚園に着いたらすぐに話しかけ、お遊びの時間はつきまとい、お昼はできるだけ近くでお弁当を食べ、帰りには全力で手を振った。
バレンタインにチョコレートを渡そうと意気込んだのに、風邪をひいて幼稚園に行けず泣いたのは、いい思い出。
当時の私、肉食系だったなー。
今なんて 絶食系 って呼ばれてるからね。絶食系女子。干からびもするわ。
そんなやまとくんとも、幼稚園の卒園以来疎遠になってしまって、気がつけば十数年。
そんな彼が、私のアルバイト先に面接に来ました。
アルバイト募集をしたら偶然応募してきた。彼は多分、私が働いていることを知らない。ほんとに偶然。
面接の日はシフトに入っていなかった。
でも、これを逃せばもう会えないかもしれない。
バイト先に向かう。
十数年ぶりに会えるかもしれない期待感と、別にキレイにもカワイクもなってないし今年に入って4キロも肥えた自分を見られたくないという焦燥感と、覚えていないかもしれないという絶望感と。
向かう途中でコンビニに寄ったら、ごちゃ混ぜの感情と緊張でいっぱいいっぱいになって、数年ぶりに吐きました。
トイレに間に合ってよかったー。ほんとによかったー。レジ前で盛大に今日のお昼のメニュー披露するところだったー。
とろろそばとか爆弾以外の何物でもないわー。ファミマの店員さん、トイレ貸してくれてほんとありがとー。
吐いて吐いて吐いて。吐きながら震えて。西野カナも負けを認めるくらい、震えながら吐いて。胃の中が空っぽになるまで吐いて。
絶食系女子改め、吐食系女子。
吐くものがなくなってコンビニ店員さん達にお騒がせしましたと謝って、お詫びの気持ちで飲み物とチョコレート買って。もぐもぐしながらバイト先に向かいました。
もうあのコンビニ行けない……行くけど。
しかし、肝心の面接の時間になっても彼が現れない。遅刻。
面接に遅刻って!受かる気ないのか!!
私が諦めて帰った直後、彼が来たらしいです。あと数分早ければ、数十年ぶりの再会ができたのに……。
でも、今思い返すと、会わなくてよかったのかもしれない。
初恋は実らない。
それは多分、本当のことで。
私がどんなに想っても、彼は私のことを想うことはないし。
私を想って吐くことはないし。
震えることもない。
彼がこのバイトに落ちたら、次は一体いつ会えるのか。
やまとくん。やまとくん。やまと。
きっと次に会う時は、また十数年後で。
私も彼も結婚してて。
お互いに大人になってて。
顔もわからなくなってて。
あ、って私だけそっと気付いて。
話しかけもせずにすれ違うんだろうなあ。